ドローン資格(民間資格)の一覧と価格

ドローン スクール

ドローン免許やドローン資格の違いは、2022年12月から始まるドローン免許(国家資格)と従前からあるドローン資格(民間資格)といえます。

免許・資格の使い方を筆者独自が便宜上「国家資格」と「民間資格」に名称を分けて説明していきます。

分け方・表示の仕方を次のように分けていますのでご了承ください。

・ドローン免許は、国家資格と表示しています。
・ドローン資格は、民間資格と表示しています。

ここでは、民間のドローン資格とはどういうものなのか。
資格の一覧と資格の費用を独自調査し列挙しています。

主な資格を抽出して比較できるようにしていますのでご覧ください。

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ドローン資格の一覧

民間ドローン講習では、国土交通省が指定するドローン運用に必要な法律知識・操縦技能を身につけることができます。

ドローン講習を受講し、座学・実技試験に合格すると、国土交通省認定団体が発行する民間資格「無人航空機操縦技能証明証」等が取得できます。

ドローン資格認定管理団体の「記号」の意味

よく見かける○〇認定資格等、○〇が管理団体ごとに付けた記号です。

管理団体は全国規模の傘下を有する団体から地域限定で傘下団体の少ない団体もあります。

国土交通省に認定登録されている管理団体88団体(※1)が、それぞれ管理している団体数(※2)の合計は1,469団体でした。

(※1)管理団体の登録は89団体ですが1団体は閉会しています(記事当時)
(※2)管理している団体:物販のみの団体もありますが主に講習団体。

今回、講習団体の上位10団体+1団体の11団体で、傘下数の多い順に列挙しています。
(+1団体とは、講習費用が6万円台の団体から抽出したものです)

<管理団体の傘下団体数と記号>

記号 管理団体名(認証団体) 傘下の講習団体数
JUIDA (一社)日本UAS産業振興協議会 215
DPCA (一社)DPCA 214
UTC DJI JAPAN㈱ 151
DPTA (一社)無人航空機操縦士養成協会 44
DPA (一社)ドローン操縦士協会 38
DSC (一社)ドローン技術社会実装コンソーシアム 30
ADA (一社)全日本ドローン教習所協会 21
IAU (一社)国際無人航空機協議会 20
JDA (一社)日本ドローン協会 18
SUSC ㈱セキド無人航空機安全運用協議会 13
JDO 日本ドローン機構㈱ 5

講習額:10時間飛行で操縦技能認証証を発行できる講習料金を示す。
(一社):一般社団法人の略

日本では、JUDAとDPCAが2分しているような数字ですね。

次に示すのは、管理団体が10時間飛行で資格認定できる講習価格です。

管理団体の認証しているドローン資格と講習価格

各管理団体が認証している「取得可能資格」を列記します。

講習費用は「10時間飛行の資格を取得する最低限の日数と費用」を計上しています。

記号 取得可能資格  傘下 団体数   無人航空機    操縦技能講習価格
JUIDA 無人航空機操縦技能証明証 215 3日/18.8万円
無人航空機安全運航管理者証明証
DPCA 技能認証 214 1日/ 5.5万円
UTC DJI CAMPスペシャリスト認定 等 151 10時間経験後
DPTA 無人航空機操縦士養成協会 技能認証 44 3日/16.5万円
DPA ドローン操縦士回転翼3級 38 4日/35.2万円
ドローン操縦士回転翼3級 インストラクター
DSC 事業用ドローン操縦士 30 2日/12.43万円
外壁点検ドローンオペレーター
屋根点検ドローンオペレーター
インフラ点検用ドローンマルコ®️操縦士
太陽光パネル点検ドローンオペレーター
写真測量・定点観測ドローンオペレーター
ADA ADAドローン操作者技能証明書 21 2日/ 8.8万円
IAU 無人航空機技能認証 20 2日/22.0万円
産業用無人航空機操縦技能認証
無人航空機安全運航管理責任者認証
JDA UAV3級操縦士技能証明 18 2日/ 8.8万円
UAV2級操縦士技能証明
UAV1級操縦士技能証明
JDAインストラクター証明
JDAドローン安全管理者証明
JDAアグリドローン操縦士技能証明
SUSC SUSC無人航空機操縦士3級 13 3日/13.75万円
SUSC無人航空機操縦士2級
SUSC無人航空機操縦士1級
JDO ドローン操縦技能認定 5 2日/ 6.6万円

無人航空機操縦技能講習価格10時間飛行で操縦技能認証証を発行できる講習価格のみを記載。
取得可能資格:各管理団体で取得可能な認定資格です。 

また、申請の一部免状される最低限のドローン資格取得の講習価格はピンキリで価格差が大きいです。

上述の講習価格は、基本中の基本である「ドローン操縦技能認証」できる講習になります。

講習内容は「国土交通省への飛行許可審査に活用できる」が基本なのですが、中には「安全運行管理者資格」や「目視外飛行」「夜間飛行」等が基本講習価格に含まれている団体もあります。

また、上記の「取得可能資格」以外に、限定講習(人・物件の距離30m以内飛行・人口集中地区の上空飛行など)を追加講習として設定してる団体もあります。

そして、この管理団体以外に「スクール認証」として認証している講習もあります。

これは許可・承認の一部書類の免除が優遇されない場合がほとんどですので注意してください。

 

目的とコスト、あなたの飛行目的や空域にあった講習内容の管理団体を探すことが第一歩です。

 

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ドローン資格の価格に注意(独自調査)

講習価格については、各々管理団体や講習団体が決めていて価格設定は同じようなカリキュラムでもバラバラで下図のようにピンキリ状態です。

航空局ホームページに掲載されている講習団体を管理する団体として登録されているのは、国交省令和4年10月期掲載分では「88団体」です。

この管理団体88団体のうち講習基本料金・日程等を公表しているは36団体(41%)でした。

ドローン資格/価格の設定状況

その36団体が公表しているコースのうち、「無人航空機操縦技能証明証」の保有者であれば「航空局の無人航空機飛行申請手続きの際に必要な一部書式の提出が免除」される下記のコースに限定して調査しています。
(なので、中級・専門・インストラクター等の上級技術コース等は含まれていません)

◆ドローン未経験者で
◆10時間飛行の講習により
◆無人航空機操縦技能証明証を発行される
(※目視外飛行や夜間飛行が含まれてる(4社)を含みます)

抽出した36団体の講習基本料金から1日当りの講習価格を調べた結果が次表になります。

<操縦技能認定講習の日数と講習価格>

講習日数 団体数 構成率 講習平均額 単価/日
2 18 50% 163,944 81,972
2.5 1 3% 132,000 52,800
3 10 27% 189,850 63,283
4 5 14% 309,000 77,250
5 1 3% 250,800 50,160
6 1 3% 216,000 36,000
合計 36 100% 194,258

(※座学のeラーニング5団体を除く)

さらに調査は、全体の50%が実施している2日間講習に絞って調査しました。

独自調査の抽出は、次の抽出基準としています。

⑴ 2日間で

⑵ 10時間飛行講習があって

⑶ 無人航空機操縦技能証明証を発行する

この内容を公表している団体は、管理団体88団体中、18団体でした。

その18団体の内、2日講習の主な講習料別に8団体を抽出比較したのが下図です。

なお、参考として講習価格としては。最安のA団体(1日講習)を比較対象に含めました。

<2日講習の主な講習料別8団体+1団体の公表内容>

比較項目 A B C D E F G H I
講習日数 1 2 2 2 2 2 2 2 2
基本講習料 55,000 66,000 66,000 88,000 88,000 99,000 124,300 198,000 220,000
人口集中地区 含む 含む 含む
目視外飛行 33,000 66,000 含む 22,000 含む
夜間飛行   33,000 含む 22,000 含む      
30m未満 含む 含む   含む          
空港周辺   含む   66,000          
150m以上   含む            
イベント上空   含む            
危険物郵送       66,000          
物件投下                
認定証発行料 16,500 含む 5,500 含む 22,000   20,000 3,300 含む
テキスト代 含む 含む 2,000 含む      含む   含む
機材レンタル費   含む 11,000    
更新費用 2年5,500 2年2,200 無料   2年5,500 1年20,900  3年11,000  2年15,000

(金額:円/税込み)
※青系色項目は、認証証に含まれる飛行形態です。(国の許可・承認の申請が可能)
※空白部は、公表されていないものです。

公表していない団体がほとんどで、びっくりです。
特に、講習価格が高額になるにつれて未公表が多くなるのはなぜ!

なぜ、もっとオープンにしないんでしょうね。

ドローン業界として「クリーンさ」が疑われそうです。

ドローン資格/講習価格と認証内容の注意点!

独自調査では、ドローン講習価格の最安価格が55,000円、最高価格が220,000円となっていました。

安いところに飛びつきたくなりますが、講習価格だけで判断するのは注意が必要です。

(例えば)

◆A団体は、1日講習価格 55,000円
最安ですが「技能認証証の発行料16,500円」となっています。
A団体では、資格取得金額の合計は 71,500円となり、

◆一方、B団体は、2日講習価格 66,000円
発行料等も講習価格に含まれていますので、資格取得合計は66,000円ポッキリです。

この2団体の比較では、資格取得価格が、B団体:66,000円
A団体より5,500円安く取得できることになります。

次に、最低技術認証に合格した後に必要な、講習で得られる「限定飛行(許可・申請が必要な飛行)」をBとDの2団体に注目したいと思います。

D団体で認証を得られるのが

人口集中地区上空の飛行
目視外飛行
夜間飛行
人・物件からの距離が30m未満の飛行

の4形態です。

この形態の飛行は業務でも個人でもいちばん多く飛ばしている範囲です。

「空撮・壁面・屋根」等で許可・承認の申請の「包括申請」ができますのでドローン資格取得の効果はあります。

 

一方、B団体

人口集中地区上空の飛行
人・物件からの距離が30m未満の飛行
空港周辺上空の飛行
地表から150m以上の上空の飛行
イベント上空の飛行

この5形態です。

この形態は、人口集中地区・30m未満はよく使う範囲ですが、

空港周辺の上空飛行、150m以上の上空飛行、イベント上空の飛行は、専門的な業務で使うことが多い飛行範囲です。

そして、この空域では、「包括申請」ができないので、飛行ごとに「個別申請」をする必要があります。

講習先を選ぶ視点から見ますと、B団体の資格取得は、専門的な業種の方に向いているように感じます。

 

そして、最低資格取得の講習合格後には、許可・承認の必要な限定飛行が将来的に欲しくなるわけですが、その限定飛行の取得価格も合算した価格の視点です。

B団体D団体の2団体で、危険物輸送と物件投下を除く限定飛行7形態すべての認証を得ると仮定すると認定取得料金の総額は次のようになります。

B団体:132,000円
D団体:154,000円
総料金では、B団体に軍配です。

しかし、限定飛行範囲で多く使う可能性があるのは、D団体の4形態と思われます。

どの限定飛行が必要なのかによって異なりますが、空撮程度の方では、当面はD団体の88,000円で4形態認証を目指すことがおすすめと思われます。

また、別の団体で安価に取得できそうであれば、条件が合えば、限定飛行の講習も受けることができます。

 

調査した結果、講習料金が、10万円を超える団体では、具体的な認証範囲が公表されていませんでした。

ここに明示した10万円以下の団体は、まだ良心的な団体といえます。
(一部は、メール回答を得た団体もありました)

認証に含まれる飛行形態と講習価格の検討は、費用対効果に直接影響しますので大変重要です。

 

その他にも注意が必要です。

◆資格取得時(イニシアルコスト)の注意は、認証証の発行料以外に「テキスト代」
◆資格取得後の団体資格運営費用(ラニングコスト)も重要です。
(「更新年数と更新料」や「会費」といったものがランニングコストになります)

 

(注意)
この独自調査には限界があって、図の調査項目すべてが公表されていませんので不明項目が多くありました。

あくまでも執筆時のデータで、その後に変動している可能性があります。
あなたの資格取得要件に見合う団体に、都度確認をして進めてください。

 

以上、ドローン資格(民間資格)の一覧と費用について記載しました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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