ドローン資格(民間)と免許制(国家)の違い

ドローン 規制

ドローンを飛ばすルールとして航空法等や民間資格で規制はありますが、国が自動車免許のようなドローン免許の取得を定めた法律は有りませんでした。

2022年12月施行される法改正によって国が定める免許の取得制度が始まります。

これに先駆けて2022年6月20日には「無人航空機(100g以上)の登録義務化」が施行されています。

これに伴い100g以上の機体は登録しなければ飛行させることはできないのです。

航空法の規制対象となるため飛行方法によっては申請し許可・承認が必要となります。

また、12月にはドローン機体の安全性や規格などの認証制度も合わせて施行されることになります。

 

これは、国が設ける「機体の安全性や規格」などの基準の認証を受けた機体でなければ飛行させることができなくなります。

新たな国家資格(免許)には2種類定められることになります。(詳細後述)

免許・資格の使い方を筆者独自が便宜上「国家資格」と「民間資格」に名称を分けて説明していきます。

分け方・表示の仕方を次のように分けていますのでご了承ください。

・ドローン免許国家資格
・ドローン資格民間資格

ここでは、新たな国家資格(ドローン免許)制度の概要・試験・飛行等を説明しています。

これからドローンの資格取得を目標とされている方に役立つ情報をお伝えしますので最後までご覧ください。

本情報は次の内容で進めています。

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ドローン免許(国家資格)の内容

2022年12月から施行される法改正による「ドローン免許(国家資格)と従前の民間資格の違いを説明します。

ドローン免許の種類と試験の内容

令和4年4月無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」より
新たなドローン免許の内容を整理しました

無人航空機の飛行に関するドローン免許が次の2種類です。

◆一等無人航空機操縦士
◆二等無人航空機操縦士

(以下、一等・二等と表示します)

この免許には、学科・実地の講習時間や講習内容の規定に従って講習を受けたものが
指定試験機関による下記の試験等に合格すれば免許が交付されます。
試験の種類は3つです。

身体検査

一等・二等の各規準検査により有効期間最大1年の身体検査合格証明書が発行されます。

学科試験

一等:試験時間75分(三者択一70問)
二等:試験時間30分(三者択一50問)
各90%以上の正答率で合格

民間スクールでの学科試験による国の試験免除は行なわれませんので国の試験を受ける必要があります。
学科試験の合格証明書の有効期間は2年です。

 

実地試験

実地試験は、次の3つになります。

◆飛行計画を作る机上試験

◆機体点検に関する口述試験

◆実際に機体を操縦する実技試験

一等及び二等ともに、登録講習機関による講習の受講及び講習修了審査の合格をもって、実地試験が全部免除されます。

限定解除(夜間飛行等)に係る実地試験についても同様の扱いとされます。

 

ドローン免許で飛行できる内容

令和2年11月19日. 国土交通省航空局「中間とりまとめ骨子(案)説明資料(資料3)」より
まとめています。

まず、大前提の飛行要件です。

機体認証(新設)を受けた機体を

⑵ 必要な操縦ライセンス(新設)を有する者が操縦し、

⑶ 運航ルール(拡充)に従う

上記の内容をクリアした機体・操縦者によって下記の内容で飛行ができます。

飛行できる方法として、国が示すドローン免許とカテゴリーやレベルの関係は下図となります。

※2 立入管理措置:補助者の配置やその代替として看板の設置等により人(第三者)の立入の管理を行う等の措置
※3 安全確保措置:気象の確認や機体周辺状況の確認も含む、飛行の形態の応じる、安全な飛行に必要な措置

 

改正点の抜粋

一等無人航空機操縦士は、有人地帯で補助者なしに目視外飛行ができますが、「必ず、許可・承認」を得なくては飛行できません。
上図のカテゴリーⅢ

カテゴリーⅡの範囲では「一等・二等免許」で飛行できる内容です。
基本は、立入管理措置が必要な飛行では、必ず立入管理措置を講じなければ
飛行させることができません。

このカテゴリーⅡでは、従前ルールでは国に申請し「許可・承認」が必要な飛行方法でした。

この法改正により「安全確保措置の内容を個別に確認する必要がある飛行(6態様)」(上図の黄枠部)は、従前と同じく国家資格の免許があっても許可・承認が必要です。

安全確保措置の内容を個別に確認する必要がない飛行(4態様)」(上図の緑枠部)は、従前は許可・承認が必要であったのが「一等・二等ドローン免許保持者」であれば「許可・承認を不要とされました。

 

今回の国の免許制度では
機体認証+ドローン免許+運航ルールの厳守の3点が示されています。

一等免許では、従前飛行できなかった有人地帯の上空を補助者なしに目視外飛行ができるようになり飛行空域が広がったことになります。

二等免許では、従前飛行の許可・承認を必要とされていた一部の飛行で許可・承認が不要となり一等・二等免許取得者が申請手続きなしで利便性が向上したことになりました。

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現行の「民間ドローン資格」の内容

日本でドローンを飛行させるために資格というものは必要なく、免許も存在していませんでした。

ところが、ドローン機体の入手がしやすくなって利用者の増加に伴い、法律知識や操縦技術の習得不足による違反や事故に繋がるケースが増えてきていることから国土交通省認定の管理団体が発行する「民間資格」の取得を推奨していたものです。

その民間資格は講習を経て、国土交通省認定の民間の管理団体が認証し証明書を発行する制度です。

この民間の講習は、国交省の「無人航空機飛行マニュアル」などの資料から各講習団体がカリキュラムを作成しています。

従って、国土交通省認可の講習はどれもほぼ同じ内容となっています。

 

ただし、民間資格を取得するとどこでも飛ばせる訳ではありません。

資格有無にかかわらず、運航ルールや飛行空域・飛行方法・飛行する許可・承認の申請など遵守すべき内容は同じなのです。
(資格があってもなくても同じでした)

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民間ドローン資格のメリット

民家資格のメリットとは何かというと、ドローンを飛行させるために必要な国土交通省への飛行許可申請を一部省略することができる1点です。

本来、飛行禁止空域での飛行や飛行の方法に従わないの飛行を行う際には「飛行の許可・承認申請を行うためには10種類の書類」をもって、国土交通大臣の許可・承認を受ける必要があります。

 

飛行許可申請を一部省略することができる内容とは

その許可・承認申請のときに、民間資格の「ドローン操作技能証明書」取得者は、表と裏の写しを申請書に添付することにより申請書類の一部(以下2点)が省略されます。

◆無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力の確認書類
◆無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性

以下、許可・承認の申請が必要な飛行です。

 

許可申請が必要な飛行

・空港周辺
・緊急用務空域
・150以上の上空
・DID(人口集中地区)

承認申請が必要な飛行の方法

・夜間飛行
・目視外飛行
・30m未満の飛行
・イベントの上空の飛行
・危険物の輸送
・物件の投下

<参考>申請手続きは「国土交通省:無人航空機の飛行許可・承認手続」参照下さい。

ページ下部には、無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書(様式)
飛行の経路作成例があります。

民間資格の要点
  • 許可・承認に必要な申請書類の一部が免除される。
  • 資格があってもなくても許可・申請等飛行ルールは同じ。

ということになります。

講習団体(ドローンスクール)は全国に1265団体あり(令和4年3月時点)、 各管理団体の傘下に入っているため、JUIDA認定スクール、PDA認定スクールなどといった名称でスクールが存在しています。

航空局ホームページに掲載されている講習団体を管理する団体(89団体)は国土交通省のHPこちらで公表されています。

公表されている管理団体の傘下の「講習団体」を管理団体のHP内やリンクから確認することができので活用ください。

 

ここまで、ドローン資格(民間)と免許制(国家)の違いを説明しました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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