ドローン規制については、2022年6月20日航空法改正により次が義務化等されました。
1)機体の登録
2)機体への表示・リモートIDの搭載
3)飛行に必要な「許可・承認」の規則
が新規改正によって施行されています。
また、2022年12月からの航空法改正により
1)飛行カテゴリーⅢ(レベル4)の新設
2)飛行内容によって「許可・承認」の不要が新設
このような改正が行われています。
ここでは、2022年6月施行されたドローン登録の義務化や許可・承認の必要な規制を説明し、
諸外国(アメリカ・イギリス・カナダ・フランス)のドローン規制について比較検討しています。
次の内容で進めています。
ドローン 規制 200g以下から100g未満へいつから!
令和4年6月19日までは、200g未満(199g以下)のドローンには航空法が適用されていませんでした。
令和4年6月20日より、100g以上の機体重量のものが「無人航空機」の扱いに変わり、飛行許可・承認手続きを含む、航空法の規制対象になりました。
航空法第9章の規制対象となる無人航空機は、
「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの
(100g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」です。
いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。
100g未満のドローンは、航空法の対象外となりますが、以下の規制は従前とおり存在しますので飛行には注意してください。
(当然、罰則行為もあります)
なお、100g未満の重量のものを、 空港等周辺で飛行させることや、高高度で飛行させることは、 「航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」として、 従前のとおり航空法第134条の3の規制を受け、飛行の許可等が必要となる可能性があります。 |
また、航空法の他に、関係法令及び地方公共団体が定める条例等の規制もあります。 規制対象となる機体は航空法の「無人航空機」とは異なる場合がありますのでご注意ください。 |
100g以上のドローンについては、航空法の適用をうけますので、下記のとおり、機体の登録・登録記号の表示等が義務化や許可・承認が必要な場合が規定されています。
1)無人航空機の登録が義務化され、登録されていない無人航空機は、飛行させることが出来なくなります。(例外:訓練等で届出を行った試験飛行)
2)飛行の許可・承認制度とは、無人航空機を屋外で飛行させる場合、地上の人や物件、有人航空機等の安全確保を図ることを目的とし、次のように「許可・承認」が必要となります。
◆「飛行禁止空域」を飛行させる場合は「許可が必要」です。
◆「飛行の方法」で飛行させる場合は「承認が必要」です。
この「飛行禁止区域」もしくは「飛行の方法」で飛行する場合は、「無人航空機の登録」とは別に、「航空局の飛行許可・承認」を必要とするものです。
このように2022年6月20日より200g以上ではなく
100g以上のドローンは「無人航空機」となり「機体の登録・記号の表示・リモートIDの搭載」、飛行の内容によっては「許可・承認」が必要となります。
ドローン 規制/日本ドローンは厳しい!
2022年12月よりドローン免許制度となり、日本もようやくドローン規制に本腰といったところでしょうか。
ドローンがDJIメーカーから手ごろに購入できて利用者も年々増加していて、まだまだドローン活用の機会が増えていく勢いです。
業界として、生計の立つ地位まで引き上げが期待したいところです。
日本も今回の法改正により、機体の登録やドローン免許制度が法制化されましたが、諸外国のドローン規制と比べて、日本のドローン規制は厳しいのか、甘いのか。
諸外国のドローン制度を調べてみました。
下図が各国のドローン規制状況です。
少し古いが、諸外国におけるドローンを巡る規制の動向が下図です。
ドローン市場が世界的に急成長しているなか、米国やカナダ、欧州では商用ドローンの規制緩和が進んでいる。(表1)
日本もようやく2022年12月法改正となり、ようやく追いついた感がある。
(表1)各国のドローン運用規則
日本 | 米国 | カナダ | 英国 | フランス | |
運用規則 制定年 |
2022年改正 | 2016年以降 | 2014年 | 2010年改正 | 2012年 |
機体重量 | 100g以上 | 25kg以下 |
2kg以下 |
20kg以下 |
2kg以下 |
操縦免許 | 要 (一部を除き 許可・承認 でも飛行可) |
要 (17才以上) |
不要 (訓練要) |
要 | 要 |
運用許可 | 100g未満 不要 |
要 | 25kg以下 不要 |
要 | 要 |
最高高度 | 150m | 150m | 2kg以下:90m 2.1kg以下: 150m |
122m | 150m |
人・家屋 密集地で の飛行 |
原則禁止 | 原則禁止 | 原則禁止 | 原則禁止 | 重量4kg以下で、 パラシュート等の安全装置を 搭載している場合は 飛行可能 |
目視外 飛行 |
原則禁止 | 原則禁止 | 原則禁止 | 原則禁止 | 無人地帯で、 操縦者か 水平方向 1km以内、 高度50m以下 の場合は 飛行可能 |
<引用元>諸外国におけるドローンを巡る規制の動向 – 日本ITU協会(表1)より加工
日本のドローン規制の厳しさについては、(表1)の各国のドローン運用規則に比して日本のドローン規制が厳しいとも甘いともいえないといえます。
本表では、細部具体的な規制内容が掴み切れないが、機体重量について日本は100g以上の下限設定だがアメリカは25kg以下の上限設定としている点で、日本は上限フリーのため将来のドローン開発に期待感を感じますね。
この報告で注目したいのが次にあげる中国です。
中国は、世界の民生用ドローン市場で圧倒的シェアを占めているが、国家安全保障上などの理由で、国内でのドローン普及は進んでいないという面白い現状がある。
2013年に中国民用航空局(CAAC)が公表したドローンの運用規則では、 ドローンの飛行に関して、 ・操縦者の目視範囲内(半径約500m以内) ・高度120m以下 ・密集地 これ以外での試験飛行の場合は免許不要だが、 それ以外は、航空機オーナー及びパイロット組織「AOPA-China」あるいは CAACの飛行許可を必要とする。 |
実情は、テロや犯罪などに悪用される懸念から、ごく一部の試験飛行以外はドローンの使用は概ね規制されているため、実際のドローンビジネスにつながった事例はまだ少ないようです。
他国には売るが、自国民にはテロや国家転覆等、一党独裁国家の死守のために国内規制を厳しくしているとは・・・。
おもしろい現象です、国の都合ってコワいですね!
ドローン 規制/諸外国の登録料や罰則はどうなの!
ここでは、アメリカ・カナダ・イギリス・フランスの4ヶ国それぞれのドローン規制を絞って整理しました。
登録年齢 | 13歳以上 | |
登録機体重量 | 250g未満(オンライン) /250g以上紙申請 | |
登録料 | 5㌦(750円)有効期間3年 | |
損害保険加入 | 必須 | |
罰則(未登録) | 民事罰 | 27,500㌦(412.5万円) |
刑事罰 | 250,000㌦(3,750万円) 最高3年懲役 | |
リモートID搭載義務(2023年9月16日以降) |
※罰金:最高額を表示
※1ドル:150円換算
引用先:アメリカ連邦航空局
登録年齢 | 14歳以上(基本ライセンス) |
16歳以上(上級ライセンス) | |
登録機体重量 | 250g以上25kg以下 |
登録手数料 | 5㌦(750円) |
損害保険加入 | 任意 |
罰則(未登録・未表示) | 1,000㌦(150千円) |
罰則(航空機等への危険行為) | 3,000㌦(450千円) |
※罰則:個人の最高額で表示(別途、企業にも罰則と重複罰則あり)
※1ドル:150円で算出
引用先:カナダ運輸省
登録年齢 | (操縦者) | 13 歳未満(試験合格必須) |
(管理者) | 18 歳以上 | |
登録機体重量 | 250g以上 | |
登録料 | (操縦者) | 無料 (有効期間5年) |
(管理者) | 10ポンド(1,682.5円)(有効期間1年) | |
損害保険加入 | 必須 (20kg以上はすべて) | |
罰則(未登録・未表示) | 法律違反との表示のみ |
※1ポンド:168.25円換算
引用先:イギリス民間航空局
登録年齢 | 14 歳以上 |
16 歳以上(リモート操縦) | |
登録機体重量 | 250g以上 |
登録料 | 金額表示なし |
損害保険加入要否 | 必須(EU規則) |
罰則(未登録・未表示) | 表示なし |
引用先:フランス民間航空総局
ドローン登録しないで飛行させたとき、
アメリカ刑事罰の最高額が、日本円(1ドル150円換算)で3,750万円(250,000ドル)です。
ビックリです。
この4ヶ国を見る限り日本の規制より、すでにキチッと出来上がっているように見えます。
日本は、まだまだといったところのようです。
以上、ドローン規制の無人航空機の規定と諸外国の動向について触れました。
最後までご覧いただきありがとうございました。